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医院ブログ

2026-10-09

親知らずの抜歯って怖い?麻酔・腫れ・痛みの実際を歯科医師が答えます

「痛そうで怖い」「腫れたらどうしよう」——そう思って何年も親知らずを放置していませんか?恵比寿でも同じ悩みを抱える方が数多くいらっしゃいます。不安を感じるのは当然のことです。ただ、正確な知識を持つことで、その恐怖感は大きく変わります。この記事では、麻酔の仕組みから術後の腫れの経過、当院が行っている痛みへの配慮まで、歯科医師が正直にお伝えします。

「怖くてずっと放置している」——その気持ち、よくわかります

親知らずはなぜ問題になりやすいのか

親知らずは18〜20歳くらいに一番最後に生えてくるため、生える場所が残されていません。骨の中に埋まったまま出てこなかったり(埋伏歯)、横や斜めに生えてきたり(位置異常)することが多く、完全な形で生えてくる人はまれです。

このような生え方をしていると、歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいのは当然です。だからこそ、親知らずはトラブルの温床になりやすいのです。

智歯(親知らず)の萌出に際してみられる歯冠周囲の炎症を特に「智歯周囲炎」と呼び、20歳前後の若い人に発生する頻度の高い疾患です。歯肉が歯冠を部分的に覆ったままになりやすいため、不潔になりやすく、歯肉の炎症を起こしやすい状態になります。

歯科恐怖は珍しいことではありません

「歯科が怖い」という感情は、決して特別なことではありません。J-STAGEに掲載された日本歯科麻酔学会の研究によると、調査した400名のうち、程度の強い歯科恐怖をもつ者は45名(11.3%)であったという報告があります。また、歯科恐怖症の患者は全世界で5〜20%とされており、形成要因の多くが医原性であり、過去の歯科治療における苦痛体験が現在の歯科恐怖に影響を与えていると報告されています。

つまり、歯科が怖いと感じる方は決して少数派ではありません。過去に「痛い思いをした」という経験が積み重なって、受診をためらうようになるのはごく自然なことです。

「なんとなく大丈夫だろう」という考えのリスク

「今は痛みもないし様子を見よう」と判断するのは、理解できる心理です。しかし、親知らずは歯肉に部分的に被ったままになることにより不潔になりやすく、歯肉の炎症を起こしやすい状態となっています。智歯周囲炎が周囲の軟組織や顎骨に広がると顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることがあります。

また、日本口腔外科学会の情報によると、親知らずがむし歯になるとその手前の歯もむし歯になる可能性があります。また、手前の歯の根が親知らずに押されると、押された歯の根が溶けてしまうこともあります。

放置することで、親知らず本体だけでなく、隣り合う健康な歯まで失うリスクが生じます。「今は症状がない」からこそ、早めに状態を確認することが重要です。

抜歯中は本当に痛いの?麻酔の仕組みと当院の配慮

歯科の局所麻酔でできること

抜歯中に「痛みを感じるかどうか」は、麻酔が十分に効いているかどうかで決まります。歯科で使用する局所麻酔(注射麻酔)は、歯と歯ぐきの神経に直接作用します。麻酔が効いた状態では、切開や抜歯の際の圧力感は感じることがあっても、「痛み(鋭い痛覚)」は大幅に抑えられます。

痛みをとりたい部分の歯肉に麻酔薬を注射する、いわゆる歯科の麻酔では、細くて切れの良い針が開発され、また麻酔薬の温度管理にも気を配ることで、注射時の痛みをできるだけ抑える工夫が重ねられています。さらに必要に応じて表面麻酔を用いたり、電動式注射器を使用したりと様々なテクニックを使って、痛みを抑えた麻酔が行えるようになってきました。

当院でも、麻酔の効果が不十分な状態で処置を進めることはありません。患者様に「大丈夫ですか」と確認しながら、麻酔の効果を確かめた上で処置に入ります。

「注射そのものが怖い」という方へ

多くの方が怖いのは、抜歯そのものよりも「麻酔の注射」かもしれません。「注射が刺さる瞬間が怖い」「チクッとするのが嫌」という声はよく耳にします。

当院では、その注射の痛みに配慮するため、表面麻酔と電動麻酔器を組み合わせた対応をしています(詳しくは次のセクションで解説します)。

日本歯科医師会のテーマパーク8020でも、歯科治療に対して強い恐怖心をお持ちの方でも快適に治療が受けられるような方法があると案内されています。「怖い」という感情を出発点に、適切な対応策を選ぶことが大切です。

抜歯後の鎮痛について

麻酔が切れた後に痛みが出ることがあります。これは患部の組織が修復しようとする自然な反応です。神奈川県歯科医師会の案内によると、抜歯後は、抜歯による周囲組織の一時的な炎症によってお痛みが現れることがありますが、抜歯直後に鎮痛剤をご服用いただければ、麻酔が奏功している間に鎮痛剤が奏功し、痛みを抑えてお過ごしいただけるとされています。

当院でも、術後の痛みの管理については処置後にていねいにご説明します。処方された薬を正しいタイミングで服用することで、術後の不快感を抑えることができます。

表面麻酔と電動麻酔器で、注射の痛みを抑える工夫

表面麻酔とは何か

表面麻酔とは、注射針を刺す前に、歯ぐきの表面にゲルまたはスプレー状の麻酔薬を塗布することで、粘膜の感覚を一時的に鈍くする処置です。

J-STAGEに掲載された論文では、表面麻酔の主な目的は、注射による局所麻酔時の刺入の痛みを緩和することであると示されています。この一ステップを加えるだけで、「針が刺さる瞬間」の鋭い感覚が大きく和らぎます。

当院では、注射麻酔の前に必ず表面麻酔を塗布する時間を設けています。

電動麻酔器で圧力のムラをなくす

電動麻酔器(コンピューター制御の注射器)は、麻酔液をゆっくりと一定の速度で注入する機器です。

手動注射器の場合、押す力が強くなったり弱くなったりすることで、「ズキッ」とした圧痛が生じやすくなります。当院の電動麻酔器はコンピューターが速度をコントロールするため、薬液が均一に注入され、圧力による不快感を抑えることができます。

電動式注射器は薬液を一定の速さで注入できるため、注射時の痛みを抑える方法の一つとされており、当院もこの考えのもとで電動麻酔器を導入しています。「注射の痛みが怖くて歯科に行けなかった」という方にとって、一つの後押しになるかもしれません。

CTによる精密な診断で、処置の精度を上げる

当院では、親知らずの診断にCTを活用しています。親知らずの向き・深さ・周囲の神経や血管との位置関係を立体的に把握したうえで、抜歯の計画を立てます。

顎全体のX線写真でないとわかりづらいのですが、親知らずが手前の奥歯の根を押すように横向きに歯肉の中に潜っていることがあります。そのまま押し続けると、健康な歯の根が溶けてしまうことがあります。

CTによって術前に詳細を把握することで、必要以上に歯ぐきや骨に負担をかけない処置計画が立てやすくなります。処置がスムーズに進むほど、術後の腫れや痛みのリスクを抑えやすくなります。

術後の腫れはいつまで?経過の目安と過ごし方

腫れは「体の正常な反応」です

抜歯後に頬が腫れるのは、傷を治そうとする免疫反応の一部です。特に下顎の埋伏した親知らず(横向きに埋まっているもの)は、歯ぐきを切開し骨の一部を削る必要があるケースもあるため、腫れが出やすい傾向があります。

日本口腔外科学会の情報では、処置によりその後に腫れや痛みなどの不快な症状が生じたり、少なからずリスクを伴います。と明記されており、腫れはある程度起こり得るものとして、事前にご理解いただくことが大切です。

腫れのピークはいつ頃か

一般的に、抜歯翌日から腫れが増してくることが多く、術後2〜3日ほどでピークを迎え、その後は徐々に引いていきます。多くのケースで、1週間前後を目安に腫れは落ち着いてきます。ただし、歯の向き・深さ・体の状態によって個人差があります。

腫れが出る可能性を踏まえて、「抜歯後の数日間は重要な予定を入れない」「顔を見せる仕事や大切な行事は抜歯から少し間を空ける」といった日程調整をお勧めしています。

術後に気をつけてほしいこと

抜歯後の回復を助けるために、以下の点を意識してください:

  • 当日・翌日の激しい運動・飲酒は控える(血行促進で出血や腫れが増えやすくなります)
  • 患部を舌や指で触らない(血餅=かさぶたの役割をする組織が剥がれる恐れがあります)
  • 処方された抗菌薬・鎮痛剤は指示通りに服用する(術後の感染リスクの低減につながります)
  • 腫れが日ごとに増している、発熱が続くといった場合は早めにご連絡ください

当院では術後に気になることがあれば電話でご相談いただけます。お一人で心配を抱え込まないでください。

まとめ

  • 親知らずは完全に正常に生える人が少なく、埋伏・傾斜して生えることが多い。放置すると智歯周囲炎・隣の歯のむし歯・歯根の吸収など多様なリスクが生じる(日本口腔外科学会・日本歯科医師会が案内)[1][2]
  • 歯科恐怖を感じる方は全体の10〜20%とされており、決して特別なことではない。「怖い」という感情を出発点に、痛みへの配慮が整った環境で受診することが一歩になる[3]
  • 抜歯中の痛みは局所麻酔で抑えられる。麻酔が効いた状態では、圧力感はあっても鋭い痛みは大幅に軽減される。麻酔の効果確認後に処置を進めるため、途中で「痛い」と感じた場合はすぐに伝えることが大切
  • 当院では表面麻酔・電動麻酔器を使用し、注射そのものの痛みを抑える工夫をしている。CTによる精密診断で術前の見通しを立て、患者様に画像を見せながら説明を行っている
  • 術後の腫れは2〜3日でピークを迎え、1週間前後で落ち着くことが多い。事前にスケジュールを調整し、処方薬を指示通りに服用することで回復を助けられる

「怖いけど、そろそろ診てもらわないと」と感じている方、恵比寿カメリア歯科にご相談ください。まずは親知らずの現在の状態を確認するだけでも大丈夫です。CTを用いた診査で、「抜く必要があるかどうか」「どの程度の処置になるか」をしっかりご説明したうえで、治療方針を一緒に考えます。平日19時まで・土曜診療・24時間WEB予約対応ですので、お仕事帰りや週末のご来院も歓迎しています。お電話は 03-6427-7080、ご予約はWEBからも承っております。JR山手線・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」から徒歩5分の立地で、通いやすさも整えています。

はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。

参考文献

[1] 日本歯科医師会テーマパーク8020「親知らず」jda.or.jp

[2] 日本口腔外科学会「『親知らず』について|口腔外科相談室」jsoms.or.jp

[3] 小川美香ほか「歯科治療に対する恐怖感と歯科麻酔の認知度および潜在需要:日本語版Modified Dental Anxiety Scaleを用いて」J-STAGE 日本歯科麻酔学会雑誌 2020年 jstage.jst.go.jp

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